ひえつき2004

お問い合わせ
電話する

メニュー

全日本ラリー選手権参戦レポート

2004 全日本ラリー選手権参戦レポート 2輪駆動部門参戦レポート

2004年全日本ラリー選手権ドライバー参戦レポート 第2戦ひえつき2004

2004年全日本ラリー選手権(2輪駆動部門)第2戦 ひえつき2004
2004年4月24日(土)~25日(日)
宮崎県東臼杵郡椎葉村周辺約250km(SS:オールダート路面)

タイムスケジュール:
第1セクション・・・・24日10時00分スタート SS3本
第2セクション・・・・24日14時00分スタート SS6本
第3セクション・・・・24日18時00分スタート SS4本
→ 合計SS13本(約55km)
天候:快晴
路面:ドライ

報告

椎葉村平家の里、椎葉村。九州山地の真っ直中、若者は街へ出て行ってしまい、子供と高齢者が大部分を占める人口3900人のこの小さな村に、年に1回、数百人の20代~40代の若者たちが全国から集まって来ます。それが全日本ラリー『ひえつき』です。このラリーは、スタート後椎葉村の集落の中で観衆を前に、セレモニースタートを行ってから走行して行きます。今年も、村民の人たちは沿道で手旗を振って我々を暖かく歓迎してくれました。

4月22日(木曜日)

朝4時半起床。5時に家を出発し、早朝からナビの家で一昨年の優勝した時のペースノートを受け取り、7時20分に羽田空港からJALで福岡に飛びました。今回は北九州在住の元ダートトライアル九州チャンピオン、刀根義晴選手の競技車をレンタルさせてもらうことになっています。シビックSiR(EK4)が今回のマシビックSiR EK4シン。ダートトライアルNクラスのマシンです。10時過ぎに刀根君の経営するガレージC-lineに到着。すっかりラリー車に変貌したシビックとご対面しました。すでにドライバーシートやインターコムはインテグラから移植済みです。「上原さん、言っておきますけど、ダートトライアルのNクラスのマシンですからね!ほとんどノーマルですよ」「え?マフラーとかボンネットがノーマルなんじゃないの?」「当たり前です!それどころか、クロスミッションも無いし、エンジンコンピューターとかもノーマルです。さらにエアコン&CDステレオ装備ですよ!」「ふん!私のような天才になると、物には頼らないのだ!タイヤが4つ付いてて、そこそこ走れれば勝つ!」などと刀根君に啖呵を切ってしまいつつ心の中には重たい空気が・・
ボンネットのスポンサーロゴこの日は1日かけて、残った部分の製作、カッティングシートを切って、スポンサー様のロゴを作り、シビックをカラーリングしました。
そして夜22時、いよいよ宮崎県椎葉村に出発です。予定では3時頃には椎葉村に着けるはず・・。北九州から福岡、久留ト、大牟田、熊本と高速を通り、御船ICで降りました。そこから国道と言う名の狭い山道を延々抜けて午前2時、予定より早く椎葉村に到着。最近の睡眠不足もあり、あっという間に路肩に停めた車の中で熟睡。ZZZZZ・・・

4月23日(金曜日)

朝6時半に目を覚まし、椎葉村内でガソリンを入れ集合場所へ。いつもの顔や知らない顔がたくさん集まっています。満載して来たタイヤや荷物を降ろしてレッキ(下見&試走:但し速度は<30km/hr)のスタートです。
まずは一昨年第2セクションで使用した2つのSS。上り3.8kmと下り2.9km。この下りで追いすがる曽根選手や古川選手を引き離したんだっけ・・・・一昨年は2回ずつ使用したこの林道、今年は3回ずつ使用するみたいです。
次は第3セクションで走った2つのSS。1.8kmのショートSSと5.3kmのロングSS。今年もこのロングSSが最後の勝負の分かれ目でしょう。
そして最後に第1セクションで使用した5.8kmのSS。ここを今年も第1セクションで3回連続、ギャラリーステージとして使用します。
全日本広しと言えども、レッキを一人でこなせるのは私くらいでしょう。昨年、群馬のラリーで一人でレッキをしていて、世界選手権に出場中の「世界の新井」をも、「すっげ~!俺こんな芸当できねえなあ!」と唸らせた。結構、ひとりレッキ気に入ってたりします。まあ、可愛い(???)ナビとともに走るレッキも良いんだけどね。
← 明らかに付け足し・・・。スンマセン、御勘弁を!m(_ _)m

実は一昨年ミラージュをレンタルさせてもらった東京の加納選手、今年はナビの神保選手とともに出場しているんです。ミラージュで。しかも「上原さんに何本SS勝てるかな~?」などと不謹慎な発言をしています。彼等とは同じ宿でした。風呂に入り、椎葉村でしか食べれないのでは?という料理:鹿肉料理や天然イ枝光理ナビワナの塩焼き、山菜のてんぷら・・etc. 皆さんも是非一度、椎葉村を訪れてみて下さい。
この夜、3年前までコンビを組んでいた枝光理ナビが宿に到着。彼こそ有名な「トリプルコーション」を3回叫んだ不幸なナビです。(なぜか私のナビは周囲から尊敬されたり可哀想がられたりすることが多い) すでに、お眠状態の私は、ろくろく相手にせず、ZZZZZ・・・・

4月24日(土曜日)

いよいよ勝負の朝がやって来ました。朝6時起床。集合場所へ向かいます。すでに今回サービスをお願いした森園君がサービス地点で待機しています。昨日のレッキを走ってみて感じたセッティングを修正してもらい、出走準備。私の出場するB2クラス(2駆で排気量1401~2000cc)は12台が出場しました。一昨年の倍!しかも、いつものメンツでは、岡田選手、曽根選手、大津選手とダートを得意とする面々に加え、関東から白鳥選手、諸隈選手といった速い連中が出場して来ています。最終ゼッケンの岡田選手は今年の第1戦でセリカのエンジンが壊れたため、今回は私と同じレンタルマシン:ダートトライアルSクラス(クロスミッション付き)に出場しているミラージュで来ています。いやあ、だんだんスタート時間も近づいて来てワクワクしてきました。

第1セクション

午前10時01分、1号車が長い戦いへとスタートしていきました。我々はゼッケン18。10時18分スタートです。スタート後、一昨年と同様に椎葉村役場前でレセプションスタートがありました。WRC(World Rally Championship)で良く出てくるようなスタートゲートがあり、周りに村の人たちが大勢集まっています。各選手達も戦い前の緊張を忘れ、照れながら観客に手を振って1台1台スタートして行きます。やっぱり『ひえつき』は良いわあ~!
← すみません、2002年のレポートから文章を引用させていただきました。あまりに良い出来なもので・・

SS1(ダート上り 約5.8km)

SS1からSS3まで3回同じ区間をギャラリーステージとして連続して走ります。比較的道幅は広く、中~高速コースです。一昨年よりスタート地点が数百メートル手前に下がり、なんと鋪装スタートです。3つめのコーナーを抜けるとダート路面に入ります。やっぱりオフィシャルもダート路面のスタートは砂だらけで辛いんだろうね。。。。
一昨年のミラージュで学習しました。パワーのない車は半クラッチを多用するのだ!ダートインから半クラ多用。おおっと!左足に気が行くとラインがぶれる!う~ん、結構難しいなあ。ギャラリーコーナー手前の上りの長いストレート・・ギャラリーステージミラージュの時でも3速に入ったはず・・・それなのに今年のシビックは3速に入らな~い!ギャラリーの前も立ち上がりがおっそ~い!!!思わずギャラリーウケを狙って、クラクション鳴らしちゃいました。そんな余裕があるくらい遅い!そんなこんなでようやくゴール。05:35.9。「ベストは?」「33秒台!」「誰?」「2台前」2台前??大津選手か~。大津選手は地元九州のドライバーで昨年からDC2(インテグラ)に乗り換えて非常に速くなったドライバーです。まあ、まだ始まったばかりだし・・次は頑張ろ~っと。

SS2(ダート上り 約5.8km)

ようやく半クラ操作にも慣れてきました。今度はさっきに比べると速い気がします。しかし、速くなったのと気合いが入りすぎたので、突っ込み速度が速すぎて、コーナーのベストラインを外している気がするなあ。路面は4駆のハイパワー車が1回走っただけで表面の浮砂利はきれいに飛んでいます。硬い路面が出ていますがラインをはずすと砂利がいっぱい。砂利に乗ると姿勢は乱れるしタイムも落ちる。ギャラリー前も相変わらず余裕でクラクションを鳴らせます。くそっ!速くねえなあ・・。
ゴールしてみれば、05:34.3。1秒そこそこ上がりましたが、大津選手は29秒台!!最終ゼッケンの岡田選手も5秒もタイムを上げてきました。やっぱり突っ込み過ぎか~。

SS3(ダート上り 約5.8km)

一昨年の優勝のときは、この3本目でベストタイムをゲットして波に乗ったのでした。今日はどうかな?これ以上離されるとまずいし・・SS2の反省から突っ込みを遅めにして、立ち上がり重視で・・よ~し、たまにはクレバーなドライバーを演じてみるか。
今度は考えながら、本当にいろいろ考えながら走ってみました。ライン、加減速、半クラッチ、左足ブレーキング、ステアリングワーク・・・考えて走ると余裕はなくなってきます。ギャラリー前も必死に考えながら通過。そしてゴール!タイムは???おお!5秒縮めた!05:29.6。「ベストは?」「ん~っと、05:29......4。残念~!」「よ~し!」思わず枝光ナビと一緒にハモってしまいました。そう!残念では無かったのです。このままパワーにものを言わされてどんどん離されるかも・・という不安があったので、この上りで対等のタイムが出たというのは、我々には大きな自信につながりました。つまり、、、、「下りならブッちぎって勝てる!」
ひとつ気になったのは、ここのベスト:05:29.3を最終ゼッケンの岡田選手が取った事です。あのおじさんを調子づかせると手に負えなくなるからなあ・・・。

第1セクション結果は、
1位:大津/内藤、2位:上原/枝光、3位:岡田/井手上、4位:諸隈/露木

第2セクション

第2セクションも2年前と全く同じ林道。違うのは、2年前は2本のSSを2回ずつの4SSだったのが、今年は2本を3回ずつの6SSになったことです。SSに向かう途中、前ゼッケンの曽根選手のセリカが停止しています。どうやら3気筒になってしまったらしい。リタイヤになりました。

SS4(ダート上り 約3.8km)

このSSは前半の2kmちょっとはきつい上り。後半フラットになります。スタート後、2速で回転が上がりません。当然スピードも出ない!こりゃいかん!半クラを多用しますが遅い、遅い!ようやくフラットな路面に出ました。前半のストレスが溜まりに溜まっていたため、もう半分切れかかっていました。右足はアクセル全開状態!コーナー手前はアウトいっぱいからインにステアを切り込み、一瞬アクセルオフ。すぐに全開をすると、シビックはきれいな4輪ドリフトをしながらコーナーをクリアします。次第にスピードも上がってきて、コーナー手前の姿勢変化からコーナークリッピングまで10~15mくらい横を向いて、目の前を山の斜面が横に流れていきます。あれ?シビックって。。。FR????
それでも前半の上りが遅かったため、大津選手には2秒負け。まずいことに、ここのベストも岡田選手が取りました。ま、まずい!おじさん、機嫌がとっても良い!

SS5(ダート下り 約2.9km)

来た、来た、来ました!下りのSS。ここでどれだけ追いつけるかが今日のポイントです。すでに大津選手には9秒負け、3秒後ろからは笑顔全開で岡田選手。せめてここで大津選手との差は元に戻しておきたい。よし!目標は2秒勝ち! 何を隠そう、私、最近ダートの下りではべストタイム以外取った事がないんです。ほとんど絶対の自信を持ってスタート。おお!我ながら、速い!さっきまでの上りの道とは、風景の飛び方が全く違います。ゴール!タイムは、03:04.4。「大津は?何秒?」「06秒。あんたらベスト!」「よしっ!」 これで差は7秒に戻しました。

SS6(ダート上り 約3.8km:SS4と同じ)

ことしのひえつきは、リアルタイムにSSの結果をHPに流して、情報の公開を随時おこなっていました。SS6のスタート前にSS5までの成績が各参加者に配られました。我々の計算どおり、トップを行く大津選手にはまだ7秒のビハインド、後ろから迫る岡田選手には5秒勝っています。第2セクションはまだ4本のSSがあります。追いつくぞ~!
スタートから上りが続きます。先程は運転している本人が「こ、これは遅い!」と自覚するくらいでした。今回は何とか回転を上げてトルクバンドに乗せながら走っていきます。それでも一旦コーナー手前で減速したら、次の直線の半分くらいまでかったるい!ついに私のイライラは頂点に達しました。「え~い!アクセルオフでの減速やめた!」
他人は私をよく、「頭のネジが数本足りない・・」と表現します。後から思えば、この時の私はそうだったかも知れません。(今も変わらないかも・・??) コーナー手前で・・それまでよりもっと手前でステアリングを大きめに切ります。もちろんアクセルは床までべた踏みです。当然アンダー気味にコーナーへ進入していきますが、ここでクラッチを一瞬オフ。頭がフッとインに向こうとした瞬間、クラッチをつなぎます。ダートトライアル用にイニシャルトルクを高くした2ウェイのLSDはシビックのフロントをイン側に巻き込みながら加速して行きます。この走りは、後半のフラット路面になると素晴らしい速さにつながりました。ただ、この走りって道幅を相当使うんですよね~。コーナー手前なんか道のアウト側いっぱい。クラッチをつなぐ辺りはインの土手に乗り上げるくらいイン側に寄って脱出です。「おお!今、俺WRC走り???」そんな感じです。
ゴールしました。タイムは? 03:22.6です。さっきより4秒もアップしました。よ~し!「んで?ベストは?」「18秒台」「・・・・?」え~っ?あれで4秒も負けるの?ついに11秒差まで広げられた。やはり1800ccには、200馬力には勝てないか?あとはどんどん差が広がるだけか?・・・・いろいろな思いが脳裏を駆けめぐります。枝光ナビが「ちっくしょう!俺達4秒も縮めたのに、大津は6秒も縮めやがった!」とポツリとつぶやきました。

SS7(ダート下り 約2.9km:SS5と同じ)

重たい空気のままスタート地点に到着。ここで私の思いっきり前向きな性格が・・・「よし!下りで4秒取り返すよ!そしたらまた7秒差じゃん!」「でもキロ当たり1秒以上差を付けなきゃならんぜ。無理して刺さるなよ」「ふふん!ダートの下りでは世界の新井にだって負けないぜ!」しゃべっているうちに次第に気分が乗ってきました。すっかりやる気になったところでスタート。できるだけ2速でコーナーリング。立ち上がりも回転が落ちていれば半クラ多用。枝光ナビ言葉を借りると、「落ちていくみたいな下りのドライビング」でした。ゴールした瞬間には、全身汗まみれ&かなり過呼吸。やっぱりラリーってスポーツだ!などと感心しながら、オフィシャルからタイムカードを受け取ります。03:01.2 「大津何秒?大津何秒?」って騒いでいたら、オフィシャルが笑いながら「あんたがベストよ!」いや、ベストなのは当たり前で、何秒離したかが問題なんだよな。「で?大津は何秒でした?」「5秒だよ」その瞬間、普段冷静(・・を装っている・・)枝光ナビが大きな声で「よ~~しっ!!取り返したぞ!」 私の方がびっくりしました。

SS8(ダート上り 約3.8km:SS4と同じ)

先程の沈黙の移動は何だったのでしょう?今度は車内は頭の悪いドラとその横に乗るのが好きな変わったナビが、掛け合い漫才状態です。途中の広場で、タイヤ交換が許されていましたが、さすがにノーマルシビックはタイヤが減りにくい。大津選手は前後輪を入れ替え。岡田選手は前輪を新品に交換です。我々は彼らの作業をただ見つめながら漫才・・。「お前、タイヤ変えなくて良いのか?」「うん、しかしなんやね。ああいう努力をしたところに勝利の女神は微笑むんやろうなあ・・・」「じゃあお前もやれよ!」「ん~努力は大事よ。凡人はな~」「誰が凡人だ?」「まあ、凡人の努力の積み重ねは、一人の天才にはかなわないものさ」「お前は道からいなくなる天才だろうが?」
スタート地点で再びSS7までの速報が配られます。あれ?SS6で18秒出してるの、大津選手じゃなくて、その前の諸隈選手だ。思えば9年前・・・全日本選手権が2輪駆動と2駆4駆の併催の2本立てになった年。初代2駆チャンピオンは関東の金井選手でしたが、その時のシリーズ2位が諸隈選手、3位が私でした。当時からめっちゃ速かった人です。今でも時々ラリーに出ては若者をいじめているらしいです。 え?ところで大津選手は??SS6は、03:24.1。おお!2秒勝ったじゃないの!ということは???ん?ん?1秒差・・・だよ。再び我々の車内が沸き上がったのは言うまでもありません。あとは上りで離されずに下りで離すんだ!そしてトップに立つんだ!
スタート後、もう最初からWRC走りです。シビックがFRのように斜めに走ります。行ける!そう感じながらゴール。タイムは03:20.6。さっきより2秒縮めました。「大津は?」「19秒」よし!上りで1秒差に抑えた。

SS9(ダート下り 約2.9km:SS5と同じ)

ここで2秒差のはず。3秒以上離すことはもはや容易に思えました。そういえばタイヤ交換場所で4駆のAクラスのドライバーが02:57とか言ってたな。下りなんか2駆も4駆も変わらないはず(←間違った考え方です。良い子はマネするのはやめましょう)なのだから、俺も2分台で入れるはずだ!
スタート後はとにかくアクセル踏みました。転がり落ちるように・・シビックは下っていきました。ゴール!またまたオフィシャルの横で、「大津何秒?大津何秒?」オフィシャルは最初から笑っています。「あんたたち59秒でベスト!大津選手は02秒」「お~しっ!」やっぱり興奮したのは枝光ナビでした。「これで1秒逆転したはずだな?」「いや、コンマ以下の蓄積があるから1秒くらいはわからんぞ」

第2セクション終了です。サービスに帰る途中で関東で仕事をしているはずの飯田有希子ナビからメールが・・・『すごい!すごい!速報では大津選手とコンマ以下まで並んでるぞ!SS毎の速報が気になって、面白すぎて仕事にならん!』 関東に仕事で残ったくせに結局仕事してねえじゃねえか!
サービスに戻るとすでに速報が配られています。「すごい戦いしてるね~」「頑張ってね」「追いついたね~」いろんな人たちから声がかかります。結局、逆転はできませんでしたが、追いつきました。最終セクションの勝負です!

第3セクション

私には一抹の不安が・・・第3セクションはショートの上りと、ロングのフラットダートの2本のSSを2回ずつ使います。フラットなら勝負になるかも・・という意見もあるのですが、レッキで見た限り、ここはハイスピードコース。直線は長い割には、低速コーナーが多いのです。中速トルクから立ち上がりの勝負では、インテグラにはかないません。まあ、大津選手がどこでスピンするかもわからないし・・・。その時に逆転できる秒差にいるのが大事だな・・・そう思いました。それにしても7秒後ろの岡田選手が不気味です。

SS10(ダートやや上りだがきついコーナーが少ない区間 約1.8km)

スタート前、枝光ナビが大津選手にプレッシャーをかけに行きました。帰ってくると、「あいつら今日はオール、オア、ナッシングだってさ。1年間追っかける訳じゃないからリタイヤしても構わないらしい。もうここまで来たら100点か0点っすよ!って言ってた」あ~、あいつもアホだな。。。そう思いました。そこに岡田選手が「淳ちゃん、だめだよ。今日は大津君に勝たせてよ。彼はシリーズ追わないから勝っても痛くないけど、淳ちゃんに勝たれると痛い!」こ、このおやじ~!すでにシリーズポイントを念頭に戦っているのか?さすがはベテランだ。 などとワイワイと神経戦を展開し・・・・・さあ、勝負の時は来た!気合い入れてスタート。スタートしてしばらく、ややきついコーナーが連続します。その後、高速コーナーのオンパレード!ブラインドコーナーもペースノートを信じて、2速全開でかっ飛びます。左足ブレーキで姿勢を変えたりもしました。
「俺ってWRCドライバー??」ゴール。またまたオフィシャルに「大津何秒?大津何秒?」「37秒」「俺は?」「36秒3、ベスト!」 よ~し!この瞬間!ノーマルに近いシビックが単独トップに立った瞬間です。しかし、次ゼッケンの岡田選手はさらにタイムを縮めて来ました。1:35.3。大津選手と1秒、岡田選手とは6秒差。

SS11(ダートアップダウンほとんどなし 約5.3km)

このラリー最大の勝負所です。ここで何秒離すか?離されるか?で大勢が決まってしまいます。スタート後すぐタイトコーナーが連続。その後ストレート。ストレートエンドは2速全開ですが、次にタイトコーナーが来る。しかもイン側は崖でガードレールなし!やっぱりここまで来たから、慎重にブレーキングしてコーナーに入る。次の加速が鈍い!!!この繰り返しです。なんかリズムに乗れない走りで進んでいきます。「パワーのあるノーマルミッション車よりもパワーが無くてもクロスミッション車の方が走りやすいんだ~」
などと妙に感心しつつ進みます。それでもインを攻めすぎたのでしょう・・・突然、ガクン!と右のリアタイヤが落ちました。「おわっ!」枝光ナビが叫んだときには、リアタイヤは跳ね上がって道の上にいました。他は何事もなくゴール。まあ、そこそこの走りだった気がします。タイムは、5:49.6。「大津は?大津は?」「43秒」「・・・・」まずいじゃないか~!

SS12(ダートやや上りだがきついコーナーが少ない区間 約1.8km:SS10と同じ)

スタート前、いくら待っても最終ゼッケンの岡田選手が来ません。リタイヤか?我々の考えた作戦は、岡田選手が来たら攻める。来なかったら2位をキープする。
で、結局スタートまで岡田選手は来ませんでオた。「じゃあ、ちんたら走るよ」「馬鹿。完走ペースったって何かあったら逆転できるタイムで走るんだよ!だいたいお前、気の抜けた時が一番リタイヤするんだから。気合いは抜くな!」
スタート。ま、そこそこで走りました。1:37.8。「大津は?」「36秒」はあ~っ・・・すでに白旗状態です。

SS13(ダートアップダウンほとんどなし 約5.3km:SS11と同じ)

スタート前、突如思いました。まだ6秒差じゃないか!ここであきらめたら男の子じゃない!ということで、最終SSにもかかわらず、攻めるつもりでスタート。「2.5R、3L・・・」「ん?なんかペースノート合わないよ」「ロング4L」「おやじ~!それさっきのSSのノートじゃないか!」「おお!すまん!すまん!ぼーっとしとった」やっぱりドライバーだけでなく、ナビも白旗だったのかも・・・何とか途中のコーナーで追いついて、ようやく攻めの走りになりました。ゴールしてみれば、さっきとほぼ同タイム、5:49.1。「淳ちゃん、完走おめでとう!」オフィシャルの車の中から岡田選手が騒いでいます。「あれ?岡田さん、そんなところで何やってんですか?」「いや、さっきSSの途中で2速ギアが死んじゃって、くそ~って1速でガンガン踏んでたらエンジン壊れた」やっぱりこのおやじもアホや・・・ゴールに向かう道で枝光ナビが、「どうして俺が組むドライバーってそうなのかなあ?」「岡田氏がアホってこと?」「お前が一番アホなんだよ!」「なんだよ、さっきはナビミスを救ってやったのに~」 こうしてひえつき2004はゴールを迎えました。

最終成績:2輪駆動部門1401~2000ccクラス 2位(12台エントリー)

表彰式 ま、なにはともあれ、レンタル車、しかもほとんどノーマル車で2位。ゴール後はみんなから、「化け物だ」「他人の車は自分の物と思ってる」「頭悪い」「おかしい」などなどの暖かいお言葉で誉めていただきました。
初中級者の皆さん!ノーマル車でもここまでできるんです!頑張りましょう!
あ、一昨年マシンをレンタルしていただいた加納武彦選手は7位。合計タイムで2分ぶっちぎってやりました。わははは、かかってきなさい、加納君!って感じかな?

追記:

今回マシンを貸していただいた、刀根義晴選手。突然の出場依頼に2つ返事でOKしてくれた枝光理ナビ。さらに、勝手にメンテ&サービスをお願いした、森園くん&三宅くん。みなさんのご協力を感謝いたします。さらに、ラリーの展開を楽しくしてくれた、大津選手、岡田選手、諸隈選手。また一緒に走りましょう。そして、全国で応援していただいたみなさん。心からありがとう。次も頑張ります。

追記2:

刀根選手は元ダートトライアル九州チャンピオンですが、諸事情により一時モータースポーツを離れていました(まあ、一言で言えば金が無い・・です)。今年から復帰するそうです。あのマシンなら、シリーズチャンピオンは間違いないよね?九州の皆さん、刀根選手も応援してね!

追記3:

次戦は6月5日&6日の愛媛。オール舗装で、昨年は2駆史上最長22kmのSSがありました。DC5のセッティングを決めて、優勝を狙います。

スペシャルコンテンツ
主催講演会
本゜骨“ポンコツ”応援団
ナプロアース杯東北リトルリーグ野球大会
ボクシング
映画「アライブフーン」
試乗記
コラム
スーパー耐久
全日本ラリー選手権参戦レポート
SODIワールドカップ&DUNLOP NEXTCUP